- 2026.02.27
- 宮窪手話
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日本にもマーサズ・ヴィンヤード島と同じように、ろう者/聴者関係なく、島に住んでいる人々が当たり前に手話を使用していた島があります。そして、その島には「宮窪手話」と呼ばれる地域独自の手話があります。ですが現在、宮窪手話は存続の危機に瀕しています。今回のにこ~るブログは、宮窪手話について紹介いたします。
宮窪手話は、愛媛県大島の宮窪漁港周辺で漁業に携わるろう者・聴者の住民が使用する地域共有手話です。

地図のピンク色の部分が愛媛県今治市。今治市の海側に大きな島が三つありますが、上から三番目にある島が大島です。
そして、大島の右側の尖がっている部分が宮窪町になります。大島のもう少し詳しい地図を見たい方はこちら。Map-It マップ・イット | 地図素材サイト
宮窪手話が日本手話と大きく異なる特徴として、「タイムライン」と「数詞」の表現だそうです。宮窪手話の文法については、宮窪地域出身のろう者である矢野羽衣子さんが研究し、論文を発表されています。
日本手話との文法的な違い等についての詳細は、是非下記の参考資料をご参照ください。
宮窪手話は2000年代初頭まで、そこに住んでいるろう者と聴者が日常的に使用していました。しかし、2000年代初頭のインフラ整備の結果、島の聴者が島外に通勤したり島外の人と結婚したりすることが増えていきました。島の聴者たちと島のろう者との交流が減っていき、その結果、聴者の宮窪手話話者が減ってしまいました。また、島の若いろう者たちも島外に進学や就職、結婚で島を離れるようになり、主要な言語が日本手話に変化しつつあるため、宮窪手話が存続の危機に瀕しています。
『デフ・ヴォイス』シリーズの3巻『慟哭は聴こえない』の中で、宮窪手話をモデルにした地域共有手話についてのお話が描かれています。また、NHKの「ろうを生きる難聴を生きる」の「故郷の手話を守りたい」という回でも宮窪手話が特集されています。宮窪手話について興味が湧いたけれど、いきなり論文はハードルが高そうだな……という方は、上記や、矢野さんのホームページから宮窪手話について触れてみてください。
【参考資料】
・ホーム | Uiko Yano https://www.uikoyano.com/
・矢野 羽衣子さんからのメッセージ|国立大学法人 筑波技術大学
https://www.tsukuba-tech.ac.jp/department/grad_school/ica/messages2_yano.html
・日本の地域共有手話における数詞とタイムライン:愛媛県大島の宮窪手話(2018年) https://7e24093b-1c20-488a-8a25-33599b1041d1.filesusr.com/ugd/1b02a6_51990e13953d41bbbdee31fecee62939.pdf
・愛 媛 県 大 島 宮 窪 手 話 に お け る 一 致 動 詞 の 空 間 使 用(2019年6月) https://www.ls-japan.org/modules/documents/LSJpapers/meeting/158/papars/g/G-6_158.pdf
・愛媛県大島宮窪地区の村落手話(地域共有手話)における二種類のタイムライン(2017年11月) https://ls-japan.jpn.org/modules/documents/LSJpapers/meeting/155/papers/p/P-2_155.pdf
・過去番組表検索 NHKクロニクル | NHKアーカイブス
https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201812152045001303100




