にこ~るブログ
2020.06.24
書籍紹介:『手話通訳者になろう』

 新型コロナウイルス(COVID-19)関連での安倍首相や小池都知事の会見、新元号「令和」が発表された時等、最近テレビでも手話通訳が活躍する場面を見かけることが増えてきましたね。手話通訳の仕事に興味を持たれた方へ『手話通訳者になろう』(木村 晴美/岡 典栄 (著))という書籍をお勧めいたします。

 手話についてもよく分からないのに、いきなり手話通訳の職業についての本を読んで自分にも分かるだろうか?と思われた方もご安心ください。『手話通訳者になろう』の第1章では手話について、第2章では手話通訳者の役割について書かれていています。そのため手話に全く触れたことのない人にも、手話と手話通訳について知っていただける内容となっております。

 

 第2章までの内容を踏まえて第3章では、手話通訳の業務において実際に第一線で働いている人へのインタビューが載っています。

 手話通訳と言っても様々な通訳現場があります。日常生活で手話通訳が必要な場合に活躍する「コミュニティ通訳」や、医療の専門知識に特化している「医療通訳」。以前ブログに記載しました「ろう通訳(※1)」。そして前回の記事で紹介した「電話リレーサービスの手話通訳」等様々な手話通訳の現場の声が載っています。

 それぞれの手話通訳はどのような特徴なのか、インタビューを受けた方が手話通訳を行なう際にどのような点に気を付けているか等が書かれています。どの方も、手話通訳の業務を行なっていることに誇りを持っており、とてもかっこいいです。そして、手話通訳の魅力が伝わってきます。

(※1)ブログでは、音声日本語もしくは日本語の文章から日本手話に通訳するパターンのろう通訳の紹介でしたが、本書ではASL(アメリカ手話)もしくはIS(国際手話)⇔日本手話で通訳するろう通訳のお話が載っています。

 

 手話通訳という仕事は、ろう者・難聴者・中途失聴者のためだけのものではありません。手話が分からない聴者のために、彼らの言葉を日本語に翻訳し、聴者へ届けることもします。つまり、きこえない人ときこえる人を繋ぐ仕事です。手話通訳の必要性が高まってきている中、本書で手話通訳という仕事についてより深く知っていただけましたら幸いです。

 

『手話通訳者になろう』商品紹介ページ

https://www.wp-shop.net/shopdetail/000000000125/ct5/page1/recommend/