
- 2025.07.16
- ろう者・難聴者の方々の学びの場
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今回のにこ~るブログは、ろう者・難聴者の方々の学びの場についてお話いたします。
画像ぱくたそより
【日本におけるろう者・難聴者の学びの場(小~高校)】
・ろう学校(聴覚特別支援学校)
ろう児または高度難聴の子供のための学校。現在は「聴覚特別支援学校」という名称のところもあります(※1)。
(※1)「学校教育法等の一部を改正する法律」(平成18年6月成立・公布,19年4月施行)が成立し、特別支援教育制度が施行したことにより、ろう学校の校名変更や休校・統廃合が全国ですすめられています。法律の詳細や現状の課題つきましては、参考資料をご参照ください.
・きこえの教室(難聴通級指導教室(※2))
普段は聴者の子供たちと同じ学校・同じクラス(通常学級)で学びながら、定期的に「きこえの教室(難聴通級指導教室)」に通い、担当の先生から指導を受けます。
(※2)通級指導教室…通常の授業のほかに一部の授業を別の教室で受ける制度のことで、通級という名称でも呼ばれています(以下、通級)。
「通級による指導」の目的は、在籍学級で自分の力を発揮し、生き生きと自分を表現する子どもを育てることだそうです。原則個別指導で行ないますが、必要に応じて難聴の子供同士でグループ指導をすることもあります。
・難聴学級(難聴特別支援学級)
生徒は小学校や中学校にある難聴学級で学びます。体育・図画工作(美術)、学校行事、部活動は、通常学級の聴者の子供達と一緒に行ないます。
通級と特別支援学級の大きな違いは、通級の場合は通常学級に、特別支援学級の場合は特別支援学級に在籍している必要があります。また、特別支援学級は、基本的に特別支援学級で受ける授業の割合が多くなります。
【ろう者のための世界の大学】
アメリカ合衆国ワシントンD.C.所在の文系総合大学。大学内での使用言語はアメリカ手話(ASL)と書記英語で行なわれます。
アメリカ合衆国ニューヨーク州ロチェスターに位置する、技術系大学です。ロチェスター工科大学の敷地内にあり、日本の筑波技術大学産業技術学部(旧聴覚部)の姉妹校でもあります。
日本にある視覚・聴覚障がい者の専門大学です。聴覚障がい者は、天久保キャンパスの産業技術学部で学んでいます。2025年度に共生社会創成学部が新設され、ますます学びの幅が広がっています。
今回は、学びの場の紹介のみとさせていただきましたが、ろう学校ごとに特色があったり、ろう教育の歴史なども見ていくと、かなり奥深かったりします。興味のある方は、下記の資料もお読みいただけますとより深く知ることができますので、ぜひご参照ください。
【参考資料】
・『耳の不自由な人をよく知る本 ビジュアルブック∞障害のある人とともに生きる2』(大沼 直紀 監、障害のある人とともに生きる本 編集委員会 編著、公益財団法人 共用品推進機構 協力、2022年 P60~69 P89)
・平成18年版 文部科学白書 第2部 第2章 トピックス 2 「盲・聾・養護学校」から「特別支援学校」へ(学校教育法等の一部を改正する法律について)-文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200601/002/002/002.htm
・特別支援教育におけるろう学校の現状と課題 (財)全日本ろうあ連盟 https://www.jfd.or.jp/info/misc/kaikaku/spedu/sm3-iken-a1.pdf
・ろう学校一覧 | きこえない・きこえにくいお子さんを持つママ・パパのための情報支援ポータル | 全日本ろうあ連盟 https://www.jfd.or.jp/sgh/okosan/schools/
・『聴覚障害教育の基本と実践 (特別支援教育のエッセンス)』 宍戸和成監修、慶應義塾大学出版会、2023年
・通級指導教室とは?指導や対象生徒、特別支援学級との違いを解説【専門家監修】 https://junior.litalico.jp/column/article/126/