にこ~るブログ
2020.03.11
NHK手話放送プロジェクトに、ろう通訳として出演しました!(2)~ドキュメント72時間編~

 今回は、第2弾「ドキュメント72時間」のろう通訳についてお話いたします。

《リンク》ハートネットTV選「手話で楽しむみんなのテレビ!~ドキュメント72時間編~」→https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1125/

※リンク先は「ドキュメント72時間」本編の写真しか載っていないため、寺澤は映っていません。

 

【ワイプ通訳】

「ドキュメント72時間」は、VTRの中にワイプで登場して通訳を行ないました。

 ワイプの通訳の時はどのように行なったかというと、事前に収録された映像とそこに表示される字幕を見て通訳をしました。そのため、フィーダーはいません。

 また、ワイプがどの位置に出されるか事前に決まっているため、ワイプを出す位置によって向ける視線や指差す向きを変えました(※1)。

(※1)ワイプからVTRの画面を眺めているような画になるため。例えば画面向かって右下にワイプが表示される場合、自分の右上に視線を向ける等の指示がありました。

 

【ワイプ出演のルール】

 ワイプで通訳をした時に大変だったのは、ワイプ出演をする時のルールを守りながら通訳することでした。ワイプ出演のルールは、

1、ワイプの枠から手がはみ出てはいけないこと。

2、ワイプは常に出ていない(=途中で消える)ということ。

特に2番目のルールは、ワイプが消える前に通訳内容の表現を終えている必要があるため、時間内に間違えずに手話を表すのに苦労しました。

 また、話者のイメージに合った演出(※2)をしながら通訳をすることも、大変でした。

(※2)話者の話し方と通訳者の手話の雰囲気が乖離しないように、収録されていた映像の話者のイメージやキャラを意識しながら、通訳されたそうです。

 

【「おはなしのくに」、「ドキュメント72時間」の撮影を終えての感想】

 O.A.までどうなっているのか分からなかったので、O.A.で見て初めてどう映っているのかが分かりました。

 O.A.後に知り合いから「よかったよ!」と沢山連絡をいただきました。寝ている間にも30~40件ぐらいメッセージが届いており、びっくりしました。

 また、通訳があまりにもスムーズだったため「聴者ですか?」と訊かれたこともありました。これは、「通訳=聴者がやるもの」というイメージがインプットされているのだと思います。

 

 この撮影を終えた後、ディレクターから「また、このような企画をやるときには、ろう通訳をお願いしたい」と言って頂けました。

 

第3弾「昔話法廷編」に続く。