
- 2025.10.10
- 「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」
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2025年6月18日。手話を推進するに当たって、国や自治体の責務などを定めた「手話施策推進法」が、衆院本会議で全会一致により可決・成立。そして、6月25日に公布・施行されました。手話に関する法律が制定されるのは、国内初(※1)になります。
今回のにこ~るブログは、「手話施策推進法」についてお話いたします。
(※1)「手話言語法」は法案が提出されていますが、制定はされていません。
手話言語法…国内の障がい者を守るための法律では「差異の尊重」「障がいのある児童がそのアイデンティティを保持する権利」について明確な規定がなく、対応しきれているとはいえないのではないかという提言から、それらを明確にした法律である『手話言語法』の制定が望まれています。2025年8月現在、「手話言語条例」という形で、制定されている自治体も多くありますが、全国的ではありません。
「手話施策推進法」の基本的政策は下記の通りです。
1、手話を必要とするこどもの手話の習得の支援
2,学校における手話による教育等
3,大学等における配慮
4,職場における環境の整備
5,地域における生活環境の整備等
6,その他の手話の習得の支援
7,手話文化(※2)の保存・継承・発展
(※2手話文化:手話及び手話による文化的所産 原文ママ)
8,国民の理解と関心の増進
9,手話の日
(手話言語の国際デーに合わせて、9月23日を「手話の日」と制定)
10、人材の確保等
11,調査研究の推進等
12,国際交流の推進
13,手話を使用する者等の意見の反映
附則2項の部分には「施行後おおむね5年を目途として、この法律の施行状況等を勘案して検討を加える」とあります。施工後、不足部分・訂正が必要な部分が発生することはあり得ます。その際、都度「変更が必要であること」を訴え、法律の内容を向上させていきましょう。
また、まだまだ手話言語条例が制定されていない地域もあるので、これをきっかけに、そちらも併せて進んでほしいですね。
今回のお話で政策に興味を持たれた方へ、政策の詳細は下記の参考資料をご参照ください。
【参考資料】
・手話に関する施策の推進に関する法律 – 内閣府 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jsl.html
・「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」は、令和7年(2025年)6月25日に施行|あらかわ いおり【手話通訳士】
https://note.com/iori_arakawa/n/n6bf7b7c16a18
・手話施策推進法が成立 習得機会確保など規定 – 福祉新聞Web https://fukushishimbun.com/seiji/41192
・手話法成立まで運動15年、やっと結実 施策具体化が重要〈ろうあ連盟〉 – 福祉新聞Web https://fukushishimbun.com/series06/41213
・手話施策推進法が成立│日本教育新聞電子版 NIKKYOWEB https://www.kyoiku-press.com/post-296873/
・手話普及へ新法が成立 環境整備へ国や自治体に責務、ろうあ連盟「歴史的一歩」と歓迎 – 産経ニュース
・全日本ろうあ連盟 手話言語法制定推進事業 https://www.jfd.or.jp/sgh
・手話言語法と手話言語条例について | 【みみとこころのポータルサイト】一般社団法人 4Hearts(フォーハーツ) https://4hearts.net/deaf_category/1566/
・「ぷちたぺ」7月号手話版 岩手県立視聴覚障がい者情報センター
5分45秒まで「手話施策推進法」に関するニュースを手話でお知らせしています(音声なし、日本語字幕付き)。