にこ~るブログ
2020.07.17
聴覚障がい者の災害時の避難について(2)

 前回は、きこえない・きこえにくい当事者の方の避難の際に、避難前の準備と避難所へ持って行った方が便利な物をご紹介しました。今回は、避難所にきこえない・きこえにくい人がいた場合、避難所の支援担当者やそこに居合わせた聴者が気を付ける点についてお伝えいたします。

 

【前提として】

・きこえない・きこえにくいということが外見上分かりにくいため、周囲の人が気付きにくいです。

・意思疎通や音声による情報を得ることが困難です。そのため、孤立感を味わってしまうこともあります。

・家庭・教育環境、生い立ちにより、読解力に困難を持つ人もいます。また、手話が第一言語の人もいれば、文字での通訳の方がよい人もいます。そのため、手話通訳・文字通訳はどちらも必要な情報保障になります。

 

【避難所での具体的な対応について】

・避難所の支援担当者はまず、避難所にきこえない・きこえにくい人がいるかどうかを確認してください。該当する人がいた場合、自治体の災害対策本部や聴覚障害者団体、聴覚障害者情報センター、行政の福祉事務所などに連絡をしてください。

 

・避難所にきこえない・きこえにくい人がいた場合は、避難所の支援担当者は視覚的な情報伝達方法で伝えてください。音声のアナウンスだけでなく、掲示物として見えるところに貼りだす、文字やイラストを使うなどしてお知らせしてください。

 難しい場合は、周囲の聴者に伝えて、何か放送があったらすぐに周りから筆談などで伝えるなど、サポートできるようにしてください。

 

・音声で話しても唇の動きだけでは正確に伝わらない場合があります。現在はコロナウイルス感染拡大防止のためにマスクを着用するため、より唇を読み取ることができなくなっております。

 筆談や携帯のメール画面など視覚情報を合わせて使って伝えてください。避難所用の筆談器を設置しておけば、何かあった時にすぐに筆談で対応ができます(※1)。

 当社で販売している「ジッキースーパーライトBR」であれば、黒と赤の2色で書き分けができるので、筆談で案内する際に活用できます。

 また、手話ができる支援者がいない場合は、手話通訳の手配もお願いいたします。

(※1)ただし、事前にご本人に大きな声で話せば大丈夫か、手話、筆談のどちらが必要か等、コミュニケーション方法を確認してください。

 

・停電などが発生した際、暗闇では手話や筆談ができないので、懐中電灯などライトを確保してください。

 

【まとめ】

 先述の通り、きこえない・きこえにくい人にとって、音声情報だけでは必要な情報が得られず、コミュニケーションの面でも孤立してしまいます。

 一番重要なのは避難所でいかにそのバリアを無くすかにかかっています。防災訓練や防災に関する会議の際に、きこえない・きこえにくい人のことを想定していただけますと幸いです。

 

参考資料

・防災のことを考えてみませんか 耳の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/saigai/saigaimanual/choukaku.files/choukaku-2.html

・全日本ろうあ連盟 避難所等での聴覚障害者に対する支援のお願い(災害対策マニュアル)

https://www.jfd.or.jp/tohoku-eq2011/shelter-support

・支援ガイド_聴覚_災害時支援 – JASSO

https://www.jasso.go.jp/sp/gakusei/tokubetsu_shien/guide_kyouzai/guide/choukaku_bamen/emergency.html

・公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター Ⅰ.障害別のニーズと配慮事項 2.聴覚障害

https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/disaster/2007seminar_houkoku/01_03.html