にこ~るブログ
2021.03.05
第6回手話寺子屋オンライン講演会

 

 2021年2月27日(土)に第6回手話寺子屋オンライン講演会を開催いたしました。

テーマは「それ本当?台北ろう学校の信じられない常識」。講師は小野寺敏雄氏です。

 

 小野寺氏は、小学校3~6年生の間、台湾の台北市立啟聰(けいそう)學校に通われていました。その当時のお話と、日本のろう学校との違いについてお話いただきました。

 

 日本から台湾に住み始めた当初、当時小野寺氏は、年齢的には小学校6年生でした。しかし、日本語しかわからなかったため、日本語のできる教師のいる3年生のクラスで、日本語のサポートをしてもらいながら、授業を受けられたそうです。

 啟聰學校では、毎日どんな天候でも朝に校庭に集まって国歌を斉唱したり、最優良生徒の選出はスピーチ大会で全校生徒による投票で決定したり等、日本の学校ではあまりないような風習もありましたが、日本のろう学校にも見られない制度もありました。

 

 例えば教室。日本のろう学校は、互いの手話を見ることができるように、椅子の配置が半円状に並んでいるのに対し、啟聰學校では日本の聴者の学校と同じように、教壇を正面にして、机を並べています。なぜそのような配置になっているかというと、授業が分からない時に質問をした際、「他の生徒が自分に注目している」という「他者の視線」を意識させるためだそうです。

 

 教師は授業を台湾手話で進めることが必須で、手話ができない教師は就任できないということです。また、教師の手話が理解できないと生徒から申し出があった場合、その教師の授業を校長先生が視察します。視察の結果次第では、その教師は聴者の学校に異動になるそうです。

 ですので、教師に就任した後も手話の研鑽を継続する必要があります。これは、小野寺氏が在学当時の校長先生である張明輝先生の理念だそうです。

 

 日本のろう学校も、台湾のろう学校も経験している小野寺氏は、「台湾では、手話という第一言語で授業を受けられるので、日本とは学びのためのスタートラインが違います。個人的には台湾のろう学校の仕組みの方が良いと思っています。日本のろう学校も、台湾のろう学校の仕組みを取り入れて欲しい。」とおっしゃっていました。

 

 小野寺氏、そして今回の講演会にいらしてくださった皆様、ありがとうございました。