にこ~るブログ
2019.12.24
【手話寺子屋25周年特別講演会3】

 今回のブログは手話寺子屋25周年特別講演会の報告の最終回です。

 第5弾、第6弾の講演会の内容についてご報告いたします。

 第1弾~の講演会の記事はこちらをご覧ください。

 

第5弾:2019年 11 月 9 日 (土)「日本手話とわたし」

講師…八百谷梨江氏

 講師の生い立ちについてお話しいただきました。両親はろう者でしたが、コミュニケーション方法は、口話とキューサイン(※1)でした。しかし、自分のアイデンティティが分からなくなって悩んでいたそうです。高校のころから日本手話で話すようになり、その方がろう者と深い話ができると気が付き、今は日本手話はとても大切なので、みなさんに広めたいとおっしゃっていました。

 

(※1)キューサイン…キュードスピーチ(※2)をする際に使用される手の形。手話の指文字とは全く別のもの。

(※2)キュードスピーチ…音声に手指記号をともなわせて発話する方法で、音声言語でコミュニケーションする聴覚口話法の範疇に入る。音声語は、口型だけでは区別できない場合も多いが、手指による手がかりを増やし受容と発音の曖昧さをなくすことができる。『教育用語辞典』(山崎英則/編集委員代表 ミネルヴァ書房 2003.7)

 

・第6弾:2019年 12 月 7 日 (土)「ろう者と聴者のズレ」

講師…小野広祐氏

 ご自身の生い立ちと、ろう者(日本手話)と聴者(日本語)の言語の違いからくる文化のズレの紹介。そして、明晴学園のバイリンガル教育についてお話していただきました。

 講演会に参加する聴者の方へ「ろう者の言動に対して、『非常識だ!失礼だ!』と感じる場面があった時に、それを『ろう者だから(そんな言動をしても)仕方がない』と思うのではなく、『ろう者と聴者の文化(行動様式や価値観)の違いによるズレが生じているのではないか?』とまず疑ってみて欲しい」とおっしゃっていました。
 また逆にろう者の方へ「聴者の言動への違和感に対しても『文化の違いによるズレがある』ということを理解することが必要です」とおしゃっていました。

 

 八百谷氏、小野氏。お忙しい中、ご講演いただきまして、ありがとうございました。

 また、講演会にお越し下さった皆様、ありがとうございました。

 

 最後に。

第1弾~第6弾の各講演会で素晴らしい講演をしてくださった、講師の皆様。

そして、各講演会にお越し下さった皆様。

改めてこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。