にこ~るブログ
2022.07.28
『水まきジイサンと図書館の王女さま』

 今回のにこ~るブログは夏休みの読書感想文の題材にする本に悩んでいる小学生の方へ、本をご紹介いたします。丸山正樹作『水まきジイサンと図書館の王女さま』(偕成社)です。

 『デフ・ヴォイス』シリーズのスピンオフ作品で、丸山氏初の児童文学作品になります。

『水まきジイサンと図書館の王女さま』あらすじ(偕成社「内容紹介」より)

 『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士~』(文春文庫)で話題をさらった丸山正樹氏、初めての児童書。「デフ・ヴォイス」シリーズとして、その後『慟哭は聴こえない』(東京創元社)など続篇を刊行中。本作は、そのスピンオフ版として書かれたもので、コーダ(ろう者の両親の家庭で育った聴者の子ども)である主人公の手話通訳士の再婚相手の子ども美和と、シリーズ2作目に登場する友だち英知の学校を舞台に繰り広げられる。「水まきジイサン」「図書館で消えたしおり」「猫事件」「耳の聞こえないおばあさん」などのストーリーが、ミステリーの要素も加わり、少しずつリンクしていく。美和は義父から習った手話が使える。発達障害や場面かん黙症という特性をもつ英知も、人前で話すことができないが手話を習得していて、二人の会話は手話である。オリジナリティあふれる物語。謎は解けるのか! 巻末に手話の説明付き。

 

 『デフ・ヴォイス』シリーズのミステリー要素や手話にも言及されていますので、『デフ・ヴォイス』シリーズに触れてきた大人も楽しめます。お話の時系列的には『龍の耳を君に』と同時期くらいですので、本書読了後に『慟哭は聴こえない』や『私のいないテーブルで』をお読みいただいても問題ありません。

 勿論、『水まきジイサンと図書館の王女さま』単体でも楽しむことができます。もしかしたら、本書をきっかけに、日本手話や他の『デフ・ヴォイス』シリーズに興味を持たれるお子様もいらっしゃるかもしれませんね。